【7月29日 AFP】パキスタンの部族地域、南ワジリスタン(South Waziristan)で28日、米軍によるものとみられる、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部を狙ったミサイル攻撃があった。ミサイル3発がモスクに隣接した家屋に着弾し6人が死亡したが、死者の中にこの幹部も含まれているとみられる。治安当局の関係者が明らかにした。

 パキスタン治安当局の関係者によると、攻撃の対象となったのは、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者やナンバー2のアイマン・ザワヒリ(Ayman Al-Zawahiri)容疑者に次ぐ高いレベルの、中東出身のアルカイダ戦闘員だという。氏名は明らかになっていない。

 また、別の政府関係者は、攻撃があった場所はアフガニスタンとの国境から約20キロメートルのAzam Warsak村で、アラブ人のイスラム過激派とみられる3人とパキスタンの少年3人が死亡したと語った。

 一方、パキスタン軍のAthar Abbas少将は、事実関係を確認中だとしている。

 地元住民らは、攻撃の前後に米航空機と米軍の無人偵察機プレデター(Predator)が飛行する音を聞いたと述べ、前週末にかけて同様の飛行がくり返されており注意するよう言われていたと語った。

 米軍主導の多国籍軍とアフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(North Altantic Treaty OrganisationNATO)軍は双方とも、攻撃への関与を否定している。だが、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)が同地域で無人偵察機を運用していることはよく知られている。

 パキスタンでは、米軍主導の多国籍軍によるものとみられている攻撃で、これまでに住民ら数十人が死亡しており、パキスタン政府は一連の攻撃に抗議を行っている。

 攻撃のあった南ワジリスタンはアフガニスタンとの国境地帯で、米政府はアルカイダやイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)などの潜伏地とみている。(c)AFP/S.H. Khan