【7月26日 AFP】テロ情報を監視している米企業インテルセンター(Intel Center)は25日、5月に上海(Shanghai)で起きたバス炎上・爆発事件など中国内で起きた数件の爆発事件について、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の独立を求める「トルキスタン・イスラム党(Turkestan Islamic PartyTIP)」が犯行声明を出したと発表した。

 ビデオ声明は同組織のセイフラ(Seyfullah)司令官と名乗る人物が23日付で出したもので、北京五輪開催中に新たな攻撃を加えると予告している。

 声明で同司令官は5月5日の上海バス炎上・爆発事件のほか、上海で起きたもう1件の事件、今月17日に爆弾を積んだトラクターで温州(Wenzhou)の警察が襲撃された事件、同日の広州(Guangzhou)で起きたプラスチック工場爆破、今月21日に昆明(Kunming)で起きたバス爆破事件などについて犯行を認めている。

 上海バス炎上・爆発事件は、朝のラッシュ時に起きたこともあり、3人が死亡、12人が重軽傷を負った。捜査当局は乗客が持ち込んだ可燃性物質が爆発したものとみていた。

 米国のインテリジェンス情報分析企業Stratforによると、トルキスタン・イスラム党は、新疆ウイグル自治区の独立を目指す「東トルキスタン・イスラム運動(East Turkestan Islamic MovementETIM)」と同一組織だという。

 米国や中国をはじめとする各国は東トルキスタン・ イスラム運動をテロ組織と認定している。中国政府は、1955年に新疆ウイグル自治区を実効支配して以来、融合を拒み独立を求め続けてきたイスラム教住民を警戒している。

 セイフラ司令官は前月27日にも中国政府への抗議と要求を記載した5ページの声明を出している。この中で同司令官は、中国国内の五輪関連施設などの目標に対するテロ攻撃を呼びかけ、生物兵器の使用も許されるだろうと述べた。さらに世界中で自爆攻撃を実行する準備ができており、中国政府指導部の要人、兵士、警官、刑務所の看守、および「中国政府に加担する共犯者」を暗殺する用意があると警告した。(c)AFP