【7月17日 AFP】16日に行われた、レバノンのイスラム教シーア(Shiite)派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)とイスラエル政府との捕虜交換で、2年前に拘束されていたイスラエル兵2人の遺体が返還されたことに続き、5人のレバノン人捕虜が解放された。5人はレバノンで英雄として盛大な歓迎を受けた。

 解放された5人の中には、1979年にイスラエル人3人を殺害し、5回の終身刑を受けたサミール・ クンタル(Samir Kuntar)被告が含まれており、今回の捕虜交換はレバノン側では大勝利、イスラエル側では苦渋の決断ととらえられている。

 5人は、赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)の車両4台でナクラ(Naqura)の国境検問所を通過した。ナクラでは、到着を待ち望んでいたヒズボラ支持者らから大きな歓迎を受けた。

 その後、5人はヘリコプターで首都ベイルート(Beirut)に移動した。ベイルートでは、5人はミシェル・スレイマン(Michel Sleiman)大統領やフアド・シニオラ(Fuad Siniora)首相、ナビハ・ベリ(Nabih Berri)国民議会議長を始め、すべての閣僚、国会議員、宗教指導者などの歓迎を受けた。

 また、5人の解放を祝う式典にはヒズボラのハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)党首本人も姿を見せた。

 5人と交換されたのはイスラエル軍のEldad Regev氏とEhud Goldwasser氏で、イスラエル側は両者が生存していることに期待を寄せていたが、遺体での帰還となった。2人は2006年7月、レバノン国境付近でヒズボラ戦闘員によって拘束され、それをきっかけにイスラエルがレバノンに進攻、戦闘は34日間に及び多数の死傷者が出た。

 イスラエル軍の広報官はAFPに対し、2人の遺体検視の結果、「本人であることが確認された」と語った。(c)AFP