【7月16日 AFP】イラク各地で15日、治安部隊を狙った自爆攻撃が相次ぎ、計37人が死亡した。

 自爆攻撃のうち1件は、ディヤラ(Diyala)州の州都バクバ(Baquba)東方にあるサアド基地の募兵センターを朝方、2人の自爆犯が同時攻撃したもので、28人が死亡、少なくとも55人が負傷した。自爆犯らは爆発物を仕込んだベストを着用しており、1人はイラク軍の軍服を着ていた。

 首都バグダッド(Baghdad)の北方にあるバクバは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の拠点となっており、イラク軍が掃討攻撃を開始することを宣言していた。

 募兵センター前で負傷した17歳の少年は、「約30人が入り口に並んでいた。名前を呼ばれ始めた瞬間、大きな爆発が起こった」と証言した。現場の警官は「犯人は群集の中央で爆破した。1人はイラク軍の制服を着ており、もう1人は市民と同じ格好をしていた」と述べた。

 米軍では、イラク軍の新兵20人が殺害され、55人が負傷したと発表している。同基地はイラク軍と米軍双方の治安部隊が拠点としているが、米軍側に被害はなかったとしている。

 イラク国内のアルカイダのもう一つの拠点、北部のモスル(Mosul)でも同日、連続して自爆攻撃が発生した。

 警察関係者によると、1番目の攻撃は市内東部のヌーア(Noor)地区を巡回していた警官隊の近くで、犯人が自動車ごと自爆し、5人が死亡、6人が負傷した。続いて市内中心部のRas al-Jad'a地区を巡回していた警官隊の近くでも自爆があり、4人が死亡、5人が負傷した。モスル市内では、さらに自動車爆弾も爆発し、6人が負傷したという。

 バグダッド東部では、カリム・ワヒド(Karim Wahid)電力相の車列に対し、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、ボディーガード3人が負傷した。ワヒド電力相に被害はなかった。

 相次いで攻撃が発生する前には、イラクにおける襲撃や抗争が4年連続で減少していると、米軍司令官らが成果をたたえたばかりだった。(c)AFP/Ali al-Tuwaijri