【7月14日 AFP】英国放送協会(BBC)は13日、中国が国連(UN)の対スーダン武器禁輸措置に反して軍事支援を行っている証拠を入手したと報じた。

 BBC取材班が匿名の2つの情報筋から得た情報として、中国が同国製戦闘機「ファンタン(Fantan)」のパイロット訓練を行っているほか、パイロット訓練用機「K8」をスーダンに輸出していたとしている。

 K8は国連によるスーダン制裁が科される2年前の2003年に輸出されたとみられるが、BBCは前月撮影された写真として、ダルフール(Darfur)地方南部ニャラ(Nyala)の飛行場に同機が配備されている衛星写真を入手したという。また、この戦闘機が2月に軍事作戦のためニャラを発進したことも確認したとしている。

 BBCはさらに、ダルフールの反政府勢力が中国製軍用トラック「東風(Dong Feng)」2台を所有していることを確認。12月に政府軍から奪われたものだとの目撃証言を伝えた。2台のトラックにはスーダン到着後に対空砲が備え付けられ、うち1つは中国製だという。

 BBCによると、中国側はこの件についてのコメントを拒んだ。詳細は14日夜の番組で放映される。

 BBCはまた、取材班が取りまとめた情報について、国連のダルフール問題調査チームが関心を示していることを明らかにした。

 中国はスーダンにとって最大の石油輸入国であり、重要な投資国となっているが、ダルフール紛争終結に向けたスーダン政府への働きかけが十分でないとして、国際社会から繰り返し非難されている。(c)AFP