【7月5日 AFP】コロンビア軍は4日、左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)からイングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)氏ら15人の人質を奪還した作戦の模様を撮影したビデオを公開した。

 コロンビア軍の特殊部隊は3日、ゲリラに扮してジャングルの奥地にあるFARCのアジトに行き、人質を別のアジトに移動させるとFARCのゲリラをだまして、ベタンクール氏と3人の米国人を含む合計15人の人質の解放に成功した。

 ビデオクリップには、コロンビア軍の非武装の特殊部隊が南東部グアビアレ(Guaviare)州のコカ(コカインの原料となる)の畑に到着し、15人の人質を連れた主に女性のFARCのメンバーと接触する場面を映し出した。

 FARCのメンバーは愛想よく、ゲリラに扮した特殊部隊員に人質15人を引き渡した。その後、ビデオはプラスチック製の手錠を付けられた人質の姿を映し出した。

 ある人質のコロンビア兵士は、カメラマンは本物のジャーナリストだと思いこみ、10年におよぶ人質としての境遇について怒りを込めて語った。

 その後ビデオは、軍のヘリコプターの中で手錠が外され、解放されたことを知らされると涙を流して喜ぶ元人質たちの姿を映し出した。

 コロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)国防相は、ビデオを公開したことは特殊部隊による劇的な無血作戦の成功を疑問視する向きへの反論となると述べた。

 サントス国防相は、2000万ドル(約21億円)の身代金がゲリラに支払われ、事前にゲリラ側と合意があったのとの報道について質問を受けると「真実にほど遠い」と述べた。(c)AFP

【動画】コロンビア軍、ベタンクールさんら人質救出作戦の映像