【7月4日 AFP】エルサレム(Jerusalem)でパレスチナ人の男がブルドーザーを暴走させ、3人が死亡、45人が負傷した事件で、イスラエル当局は3日、射殺された容疑者の男の自宅を取り壊す方針で調整が進んでいることを明らかにした。

 司法当局によると、政府の要請を受け、マズーズ(Menahem Mazuz)検事総長が4日、東エルサレムにあるHossam Dwayyat容疑者(30)の自宅を取り壊すにあたって法的に問題がないか審査するという。

 イスラエルの政治家らの間では、イスラエルを攻撃したパレスチナ人がエルサレム在住だった場合、自宅を取り壊すという措置が支持されている。ただ、先に軍が行った調査では、住宅取り壊しは無意味だとの結論が出ている。

 エフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は3日、「必要なら住宅を取り壊す。必要なら社会保障を打ち切る」と述べ、同日夜に関係省庁や軍を召集、さまざまな対応を検討した。また社会問題省高官は、政府が容疑者の遺族に対する社会保障の打ち切りを検討していることを確認した。

 当局は今回の攻撃を「テロ行為」としているが、警察本部長は、容疑者には前科があったものの武装勢力との関連はなく、「単独犯罪」との見解を示している。

 なお、AFPカメラマンによると3日、容疑者の自宅がある東エルサレムのSur Baher地区で、男の叔父が治安部隊に拘束された。

 一方、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では同日、ロケット弾が再び発射されたことから、イスラエル軍が停戦協定の違反だとして検問所を封鎖した。(c)AFP