【6月10日 AFP】イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)との戦闘中に拉致され、2年間にわたって拘束されているイスラエル兵のギラド・シャリット(Gilad Shalit)伍長の両親は9日、同伍長から手書きの手紙を受け取った。ジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領の財団「カーター・センター(Carter Centre)」が明らかにした。

 同財団によると、ハマスの最高指導者ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏とカーター元米大統領が4月に結んだ約束に基づき、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(West Bank)のラマラ(Ramallah)にある同財団の事務所が8日、手紙を受け取った。

 同財団は「カーター元大統領ら財団スタッフは、両親からの手紙を送ることを予定している。また、シャリット伍長の解放への協定が早急に合意されることを期待している」としている。

 ハマスは、シャリット伍長の生存を証明するために、前年6月25日にも音声メッセージを発表している。このメッセージの中で、同伍長は体調が悪化していることを明らかにし、エフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相を始めとするイスラエル政府に対し、解放に向けた一層の取り組みを求めていた。

 メシャール氏は3月31日、英国の衛星テレビスカイニューズ・テレビ(Sky News)に対し、シャリット伍長は生存しており、適切な待遇を受けていると語っている。(c)AFP/Jean-Luc Renaudie