【6月2日 AFP】2日、イラク南部タリル(Tallil)に駐留するオーストラリア軍の戦闘部隊550人が撤退を開始した。前年11月の総選挙でのケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相の公約に基づく決定で、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領はイラク戦争における同盟国の一角を失った。

 タリルの駐屯地に掲げられた豪国旗が降ろされるにあたって、ブッシュ大統領を強く支持し2003年3月のイラク進攻時の「有志連合」への参加を決定したジョン・ハワード(John Howard)豪前首相はシドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙とのインタビューで、イラク派兵は「正しい行動だったと固く信じる」とのコメントを寄せた。

 一方で、イラク戦争の戦費が「非常に莫大なものになり、好ましからざる状況になっている」との認識も示した。派兵時の世論調査では、豪市民の多くが派兵に反対していた。

 ジョエル・フィッツギボン(Joel Fitzgibbon)豪国防相は記者会見で、豪軍はイラクやアフガニスタン、東ティモールに派兵され過剰拡大状態になっており、イラクから撤退するのに今が「適切な時」だと述べた。(c)AFP/Lawrence Bartlett