【5月22日 AFP】パキスタン政府は21日、同国北西部渓谷地域のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)系武装勢力と和平協定を締結した。パキスタン政府に対しては、米国がイスラム武装勢力に対する取締の強化を求めているところだった。

 政府側は15項目の和平協定で、以前は観光地としても知られていたスワト(Swat)からの軍部隊の段階的な撤退や武装勢力が求めていた同地でのイスラム法(シャリーア、Sharia)の導入を受け入れるという。一方、武装勢力側は、訓練キャンプの閉鎖、外国人兵士の引き渡し、政府関連施設や治安部隊への自爆攻撃の中止などを受け入れたという。

 パキスタン軍は前年10月、スワトでタリバン系のMaulana Fazlullah師を支持する武装勢力に対する大規模な掃討作戦を行った。Fazlullah師は、同地域にイスラム法を導入を求める暴動を主導したとみられている。

 米国や北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)、アフガニスタン政府は、以前和平協定が結ばれた際、パキスタン側から越境してきた者によるアフガニスタン国内での自爆攻撃が増加するとして協定締結を批判していた。

 米国は自爆攻撃などが中止されるか注視していくと述べ、今回の協定締結に慎重な姿勢を示している。(c)AFP/Saad Khan