【5月18日 AFP】2月11日に拉致され96日ぶりに解放されたパキスタンのタリク・アジズディン(Tariq Azizuddin)駐アフガニスタン大使が17日、北西部ペシャワル(Peshawar)から特別機でラワルピンディ(Rawalpindi)の自宅に戻った。

 アジズディン氏は2月11日、アフガニスタンの首都カブール(Kabul)に車で向かう途中、国境に近い部族地域のカイバル(Khyber)で運転手とともに行方不明になり、4月19日にイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)に拉致されたと語る映像がアラブ首長国連邦・ドバイの衛星テレビ、アルアラビーヤ(Al-Arabiya)で放映された。

 タリバンとパキスタン政府は交渉を続けているが、内務省のRehman Malik氏は大使の解放についてタリバンとの合意はないとしている。

 前日の釈放は法的処置によるものと強調し、治安部隊の行動については説明しなかった。Malik氏の隣に立つアジズディン氏はひげが伸び疲れた様子をしていたが、神に感謝すると言い、政府の努力をたたえた。

 拉致期間中、十分な待遇を受けていたという。

 これに先立ちパキスタン外務省は同時に拉致されたアジズディン氏の運転手と護衛も解放されたと発表した。

 タリバン関係者がAFPに語ったところによるとパキスタン政府は今週、アフガニスタンのタリバンメンバーを含む拘束中の12人を釈放したという。約4週間前には、衛星テレビ・アルアラビーヤが、自分たちはタリバンに捕らえられ、政府とアフガン駐留の外国の軍隊は、自分たちの命を救うためにタリバンのムジャヒディンの要求に従って欲しい」とアジズディン氏が述べる様子を撮影したビデオが放送されていた。(c)AFP/Rana Jawad