【5月15日 AFP】キューバのグアンタナモ(Guantanamo Bay)米軍基地に設置されている特別軍事法廷は、9.11同時多発テロの容疑者5人に対して審理を行う一方、「20人目のハイジャック犯」とされる容疑者に対する起訴は却下した。米国防総省のホイットマン(Bryan Whitman)報道官が13日明らかにした。

 9.11同時多発テロの主犯格とされているハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)容疑者を含む5人の容疑者に対しては審理が行われ、殺人、テロ行為、その他の戦争犯罪の罪で死刑が求刑される。

 しかし、特別軍事法廷のSusan Crawford判事は、サウジアラビア出身のMohammed al-Qahtani容疑者に対する訴追を「再訴可能な却下」とした。同容疑者は、グアンタナモ米軍基地で厳しい取り調べを受けていた。

 起訴却下の理由は明らかにされていないが、ホイットマン報道官は、今回の決定は、戦争犯罪などの罪で再度Qahtani容疑者を告訴することを妨げるものではなく、「米政府にはQahtani容疑者を個別に告訴する選択肢が残されている」と語った。

 Qahtani容疑者は、「敵性戦闘員」として6年以上グアンタナモ米軍基地に収容されており、起訴が却下されても拘禁される。

 同容疑者と残る5人の容疑者は、9.11同時多発テロで2973人を死亡させたとして2月に起訴された。同時テロでは19人の実行犯が航空機をハイジャックし、ニューヨーク(New York)の世界貿易センタービル(World Trade Center)、ワシントンD.C.(Washington D.C.)の国防総省、ペンシルベニア(Pennsylvania)州郊外に激突させた。(c)AFP/Jim Mannion