【4月23日 AFP】国連(UN)のジョン・ホームズ(John Holmes)人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官は21日、スーダン西部ダルフール(Darfur)地方で、紛争、飢饉(ききん)、病気が重なったことで2003年からの死者が30万人に上った可能性があると指摘した。

 ホームズ氏は、国連の安全保障理事会(Security Council)で発言し、この数値を「既知の情報から推測したもの」とした上で、「2006年の調査では、紛争が原因で20万人が命を落としたと推定されるが、この数値はかなり増加し、おそらく5割程増加している」とした。

 一方、スーダンのAbdalmahmood Abdalhaleem国連大使は、直ちにこの数値を否定。記者団に対し、「われわれ独自の計算では、死者は1万人を超えない。これは最新の数値だ」と主張した。

 大使は、この数字には病気や栄養失調、飢餓(きが)で死亡した人々は含まれていないが、これらによる死者はごくわずかだと強調した。
 
 ホームズ氏は、20万人という数値は2006年に国連が使用したもので、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が行った調査に含まれていた情報を基に推測したものだと訂正した。(c)AFP