【4月13日 AFP】イラク軍と共同でイスラム教シーア(Shiite)派民兵組織の掃討作戦を行っている駐イラク米軍は12日、バグダッド東部で空爆を行い、2人が死亡した。また住宅が炎上し民間人3人が負傷した。13日、米軍が明らかにした。

 米軍によると、空爆は道路脇に爆弾を仕掛けていた民兵を標的に行われた。空爆が行われたバグダッド東部の「ニューバグダッド(New Baghdad)」地域は、主にシーア派住民が暮らす地域。また、空爆で米兵2人が負傷した。

 今回の空爆は、イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相が3月25日に開始した、バグダッドやイラク南部の港湾都市バスラ(Basra)などイラク国内シーア派地域での掃討作戦の一環。

 これまでの戦闘ですでに800人近くが死亡している。現在は、シーア派指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の民兵組織、「マフディ軍(Mahdi Army)」が拠点とするバグダッドのサドルシティー(Sadr City)での戦闘が中心となっている。

 シーア派の貧困層200万人が暮らすサドルシティーの住民らによると、13日になって戦闘は一時的に休止した。12日深夜から13日未明にかけては大規模な衝突もなく、早朝に単発的な銃声が聞こえた程度だったという。

 イラク軍は12日、サドルシティー住民に対して、民兵組織が米軍とイラク軍を妨害するために道路に爆弾を仕掛けていると警告していた。

 11日にはシーア派の聖地ナジャフ(Najaf)で、サドル師の側近、Riyad al-Nuri氏が、毎週恒例の礼拝を終えて帰宅する途中に暗殺されており、「マフディ軍」と治安部隊とのあいだの緊張が高まっていた。サドル師派は、暗殺の背後に米軍がいるとして米軍を非難。サドル師は、「占領者に協力しない限り」イラク人を標的にしないよう戦闘員に呼び掛けている。(c)AFP