【4月2日 AFP】英国のデズ・ブラウン(Des Browne)国防相は1日、イラク南部バスラ(Basra)周辺での戦闘を受けて、イラク駐留英軍の削減計画を遅らせると発表した。

 バグダッド(Baghdad)を中心とした米軍の「増派」が続くなか、イラク南部の治安維持を英軍に託す米国はこの動きを歓迎するとみられる。

 英政府は2007年10月、2008年春には2500人まで削減したいとの意向を示していたが、ブラウン国防相は最近の状況は計画の再考を要するとの見方を示した。

 ブラウン国防相は下院で、削減計画の根拠となった状況が変化した以上は、削減を中止し計画を見直しすことが妥当だと述べた。現在4000人の英兵がイラク南部で任務に当たっているが、ブラウン国防相は現在の人員を維持し同盟国やイラクと協力し今後の必要を見極める必要があるとした。

 英米軍は前月25日以来、イスラム教シーア(Shiita)派の反米指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の民兵組織「マフディ軍(Mahdi Army)」が主導権を握るバスラで、イラク治安部隊の掃討作戦を空から支援していると発表している。

 ブラウン国防相は、英軍の戦闘機がバスラ上空を威嚇飛行しヘリコプターで治安部隊に物資補給を行うなどさまざまな形で支援していることを認めた。

 イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は1日、バグダッド(Baghdad)で、今回の掃討作戦は「成功」だったと述べ、南部の治安維持のために新たに兵士1万人を補充すると表明した。(c)AFP