【3月20日 AFP】カナダのテレビ局CTVは19日、中国当局が外国メディアの立ち入りを規制している、中国・甘粛(Gansu)省で18日に新たに発生した抗議デモの映像を公開した。

 映像には、1000人以上のチベット人が甘粛省の町を襲い、政府の建物を破壊し、学校に掲げられていた中国国旗を引きずり下ろして引き裂き、代わりにチベットの旗を掲げる様子が撮影されている。一部のチベット人は馬に乗って参加していたという。

 その後、約100人の中国軍兵士が催涙ガスなどを使用し、デモを鎮圧したという。

 一方、中国当局は、チベット(Tibet)自治区などでの暴動鎮圧のため、複数の省から大量の治安部隊を動員した模様。同自治区に隣接する四川(Sichuan)省からの動員が特に多いという。目撃者や活動家組織が19日、明らかにした。

 治安部隊の大量派遣は、暴動鎮圧の目的だけでなく、外国メディアの取材から抗議デモを隔離する目的もあるとみられ、活動家組織や人権団体は、当局に逮捕されたとされる数百人のチベット人が拷問される可能性を懸念している。

 人権団体「フリー・チベット・キャンペーン(Free Tibet Campaign)」などは18日、四川省での抗議デモで中国当局に殺害されたとみられるチベット人8人の遺体写真を公開。デモ鎮圧のために残忍な手段が使われている証拠だとしている。
 
 「フリー・チベット・キャンペーン」によると、四川省アバ(Ngawa)県では、警察当局が車両に積んだ拡声器でデモ参加者に対し、投降を呼びかけているという。(c)AFP