【3月16日 AFP】日本人を含む外国人が死傷したパキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)のレストランで15日発生した爆発事件を受け、同国治安当局者は、イスラム過激派集団が、外国人を狙う戦略に切り替えたのではないかとの見解を示した。

 この爆発で、トルコ人女性1人が死亡し、レストランにいた共同通信(Kyodo News)の前イスラマバード支局長、大西利尚(Toshihisa Onishi)記者(34)と現イスラマバード支局長の遠藤幹宜(Motonobu Endo)記者(32)ら外国人10人が負傷した。

 治安当局の高官は、「2002年以来、イスラマバードで外国人を標的にした攻撃は初めて。新しい流れを示している」と語った。02年3月17日には、米外交官の妻らが自爆テロで死亡したが、以来外国人を狙った攻撃は限定的だった。

 首都以外では06年、南部カラチ(Karachi)の米領事館前で、自爆テロが発生、米外交官1人が死亡したが、それ以降1年2か月にわたって同国で起きた爆弾攻撃は、軍や地元民間人を狙ったものだった。

 しかし、15日の攻撃では、外国人に人気で、保守的なイスラム教国のパキスタンでは珍しくアルコールも飲めるレストランが狙われた。地元警察当局は、簡易爆発物が使用されたと発表。投げ込まれたか仕掛けられたかについては調査中としたが、捜査を開始した結果、すでに容疑者110人を逮捕したことを明らかにした。

 パキスタンでは今年に入って、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と隣国アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が関連する攻撃で、少なくとも600人が死亡している。(c)AFP/Danny Kemp