【3月15日 AFP】(写真追加)中国のチベット(Tibet)自治区の中心都市ラサ(Lhasa)で14日、暴動に発展した中国のチベット統治への抗議活動に対し、治安部隊が発砲した。人権団体などが明らかにした。

 米政府系放送局「ラジオ自由アジア(Radio Free Asia)」によると、発砲で少なくとも2人が死亡したと報じているほか、ラサの救急医療センター関係者もAFPに対し、同日の抗議活動では数人が死亡し、負傷者も多数でていることを明らかにした。

 この事態を受け、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は同日、チベット亡命政府があるインド北部のダラムサラ(Dharamshala)で、抗議活動は中国が50年以上にわたってチベットを「暴力的に」支配してきたことに対する住民たちの怒りの結果だと語った。

 さらに、「中国政府に対し、武力の使用を止め、チベットの人々との対話を通じて事態の収拾を図るよう求める」とした声明を発表した。同時に、声明の中ではチベットの人々に対しても、「暴力的な手段をとらないよう」求めている。

 一方、中国国営新華社(Xinhua)通信が15日未明に報じたところによると、チベット自治区政府は、ダライ・ラマ14世の側近グループが、ラサ市内での暴力的な抗議活動を計画、主導したとして非難した。

 この報道を受けて、ダライ・ラマ14世の広報担当者はただちに、中国の非難は「まったく根拠のないもの」と否定している。(c)AFP/Guy Newey