【3月11日 AFP】イスラエルによる攻撃で多数の死者が出ていた、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では10日、イスラエル軍とハマスとの間での事実上の停戦状態が3日目を迎えている。

 イスラエル軍はこの3日間、ガザ地区では攻撃を一切行っていない。また、イスラエル軍によると、ハマス側もロケット弾、迫撃砲それぞれ1発を発射したのみで、ほとんど攻撃を行っていない状態だという。

■イスラエルは停戦協定を否定

 これに関し、イスラエルとハマスが、国境地帯での停戦を望むエジプト政府の意向も背景に、ガザ地区とその周辺での停戦に合意した結果だとの見方が出ている。

 だが、イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は10日、エルサレム(Jerusalem)を訪問中のミレク・トポラーネク(Mirek Topolanek)チェコ首相との共同記者会見で、「停戦協定は存在しない。(ハマス側との)直接または間接的な交渉も存在しない」と語り、停戦協定を否定した。

 一方、「常に主張してきた絶対的な要求が1つあり、それが守られれば停戦の必要はない」と語り、ガザ地区からのロケット攻撃が無くなれば、同地区を攻撃する理由はないとの姿勢を示した。
 
 イスラエル軍とハマスの戦闘では、子どもや民間人を含むパレスチナ人132人が死亡。イスラエル側も兵士4人、民間人1人が死亡している。(c)AFP