【3月3日 AFP】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区に激しい武力攻撃を続けていることに対し、国際社会の非難が高まっている。

 イスラエル軍は3日も空と海からガザへの攻撃を続行し、活動家5人を殺害した。1日以降、イスラエル軍の攻撃によるガザ地区での死者は78人に上っている。

■「行き過ぎた武力行使」に各国から懸念

 米国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)は2日、テキサス(Texas)州のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の別荘で緊急会合を開き、「すべての暴力の即時停止と和平会談の再開を求める」との声明を発表した。

 また欧州連合(EU)は、「行き過ぎた軍事力の行使」としてイスラエル政府を非難。国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会議は、イスラエル・パレスチナ側の双方に暴力停止を求める決議を採択した。

 デービッド・ミリバンド(David Miliband)英外相は、パレスチナ武装勢力によるイスラエル領内へのロケット弾攻撃を非難する一方で、イスラエルに「国際法にならい、人民の苦痛を最小限に抑える一方で和平交渉再開のめどがたつような」対応を求めた。

■アラブ諸国では「ホロコーストと同じ」の非難も

 アラブ諸国もイスラエル政府への批判を強めている。

 イスラム諸国会議機構(Organisation of the Islamic ConferenceOIC)のエクメレディン・イフサンオウル(Ekmeleddin Ihsanoglu)事務局長は、イスラエル軍の攻撃を「凶悪な戦争犯罪」と非難。ヨルダンはイスラエルが国際法に違反していると指摘した。

 イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領とサウジアラビアの高官は、イスラエルの攻撃をナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)になぞらえて非難している。

 イスラエルとの国交があるモーリタニアは「深い憂慮」を示し、トルコの首相も「多くの命を奪う非人道的行為を認めるわけにはいかない」と遺憾の意を示している。

■イスラエルは攻撃続行の姿勢崩さず

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は2日、「パレスチナ人民を公然と殺りくしている」とイスラエル政府を非難し、和平交渉の一時停止を発表した。

 こうした国際社会の動きに対しイスラエルは3日、武装組織への攻撃を続行する意志を改めて示している。(c)AFP