【2月23日 AFP】(一部更新)スリランカのコロンボ(Colombo)郊外で23日、バスの車内に置かれていた小包爆弾が爆発し、少なくとも18人が負傷したが、乗客が爆発前に爆弾に気が付いたため、大惨事は免れた。同国国防省が発表した。

■乗客の機転で惨事を免れる

 同国では武力攻撃が相次いでいるが、今回の爆発事件はその最新のものとなった。同省によると、爆発はコロンボの南約10キロのマウントラビニア(Mount Lavinia)で発生。爆弾に気が付いた乗客が同乗者にバスから降りるよう叫んだため、被害は小規模で済んだ。

 爆弾に気が付いた乗客のMervyn SilvaさんはAFPに対し、「空席に置き忘れられていた小包に気が付いた。誰の物でもないと分かった時、バスの乗員に注意を促し、乗客に降りるよう叫んだんだ」と語った。

運転手はバスを人のいない場所に移動させ、乗員が最寄りの警察署に通報に向かった時に爆弾が爆発し、通行人が負傷したという。

 爆発で負傷した男性10人、女性7人、子ども1人は病院に搬送されたが、いずれも軽傷だった。一方、バスは爆発で大破したという。

同省は「一般市民に対し大虐殺を行おうとした『テロリスト』のもくろみは、市民自身の監視によって失敗に終わった」と発表した。

スリランカ政府は、反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」を指して「テロリスト」と呼んでいる。今回の小包爆弾も同組織の犯行と見られているが、これまでのところ犯行声明は出されていない。同組織は、同国北部と東部を中心とする少数派タミル人の分離独立を目指している。

■不安定な情勢が続く

 同国北部では今月初め、混雑したバスの車内で小包爆弾が爆発し少なくとも20人が死亡したが、これもLTTEの犯行と見られている。

 国防省はまた、政府軍が23日早く、LTTEが支配する同国北部Oddusanの軍事拠点を空爆したと発表した。空軍の操縦士によると、空爆は正確に行われ、同組織の軍事拠点は「完全に破壊された」という。これまでのところLTTE側からの発表はない。

 一方でLTTEは22日に行われた同様の空爆で、一般市民8人が死亡したと発表している。

 国防省によれば、政府軍は22日、政府が支配するWeli Oyaに侵入しようとしていた反政府勢力に対し銃撃を行い戦闘員6人が死亡、また同じく22日に北部で行った砲撃で、反政府勢力の戦闘員31人と政府軍兵士1人が死亡したという。(c)AFP/Mel Gunasekera