【2月4日 AFP】アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で3日、反タリバン勢力北部同盟(Northern Alliance)のラシド・ドスタム(Abdul Rashid Dostum)将軍が政敵を襲撃し警官隊に取り押さえられる事件があった。ドスタム将軍は少数民族ウズベク出身。

 内務省報道官によると、事件が発生したのは同日未明で、ドスタム将軍は武装集団を率いてかつての同志で現在は政敵のアクバル・バイ(Akbar Bai)氏の自宅を襲撃。バイ氏とその家族およびボディーガードを殴打して負傷させたうえ、バイ氏宅に立てこもった。しかしその後、住宅を取り囲んだ警官隊がバイ氏らを救出し、同氏や負傷者を病院に搬送した。ドスタム将軍のグループと警官隊との銃撃戦による負傷者もいるという。

 その後、ドスタム将軍が警官隊に投降し、事件は収拾した。

 ドスタム将軍は事件当時泥酔しており、正気の状態ではなかったという。事件による正確な負傷者数は明らかにされていない。

 一時は立てこもりを続けるドスタム将軍側と警官隊との間でにらみ合いが続く緊張事態が続いたため、同氏が拠点とする北部のMaymanaでは、将軍支持者のウズベク人ら700人が武器を手に路上に繰り出す事態に発展した。

 ドスタム将軍は、ソ連侵攻下のアフガニスタンで派閥を渡り歩きながら闘争を続けたことで知られる。一方で、同将軍の軍閥は90年代前半の戦争犯罪に関与した疑いがもたれているほか、ドスタム氏自身も麻薬売買を行っていたとされる。
 
 同将軍は2005年、カルザイ大統領からアフガニスタン陸軍最高司令官付き首席幕僚という有名無実のポストに任命されている。(c)AFP