【1月29日 AFP】(一部更新)パキスタン北西辺境州(North West Frontier Province)のドマイル(Domail)村で28日、武装グループが8歳から12歳までの約300人の児童を人質にとって小学校に立てこもる事件が起きた。武装グループはその後、地元部族長老などの説得により人質を解放、投降した。パキスタン内務省が明らかにした。

 武装グループは、ロケットランチャーなどで武装し、同地で地元当局者を誘拐しようとしたが失敗。地元警察との銃撃戦で武装グループの1人が死亡した後、学校に逃げ込みそのまま立てこもったという。ハミド・ナワズ(Hamid Nawaz)内相がAFPに明らかにしたところによると、武装グループは7人ほどだという。

 武装グループは、人質の児童の解放と引き換えに安全に逃走できるよう要求。地元の警察が学校の建物を包囲する中、地元の長老などで構成された地元グループの合議体「ジルガ(jirga)」が交渉にあたった。

 パキスタンでは、ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の暗殺で、2月18日に予定されている総選挙を前に政情が不安定化し、武装勢力による攻撃が相次いでいる。

 立てこもりがあった小学校はアフガニスタン国境に近い場所にあるが、国境周辺では数週間にわたって、パキスタン軍と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)や、アフガニスタン旧支配勢力のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の戦闘員との戦闘が激化している。(c)AFP/Saad Khan