【1月22日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の息子が、米CNNテレビが21日放映したインタビューのなかで、父の無差別テロに反対する考えを明らかにした。
 
 ビンラディン容疑者の息子であるオマル・ビンラディン(Omar bin Laden)氏(26)は、オマル氏の自宅があるエジプトのカイロ(Cairo)で行われたインタビューで、「爆弾や武器を用いるやり方は誰のためにもならない。別の手段で目的を達成するよう父に訴えたい」と述べ、一般市民を殺害する父親の手法には反対だとの考えを、片言の英語で語った。 

 同氏は、2000年にビンラディン容疑者がアフガニスタンのアルカイダ戦闘員の訓練キャンプに旅立つ際、「幼い頃から常に父と行動を共にしてきた私は、父とその仲間の世界しか知らなかった。それで、外の世界を知りたいと言って父の元を去った」ことを明かした。

 これに対して、ビンラディン容疑者は「わたしと共にいて欲しいが、それがお前の決意ならば仕方がない」と言ってアフガニスタンに向かったという。オマル氏が同容疑者と言葉を交わしたのは、それが最後だという。

 一方で、オマル氏は、父親がテロリストだとは思っていないという。

「以前は『戦争』と呼ばれていたことが、今は『テロ』と呼ばれている」(オマル氏)

 同氏は、1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻した際、米国がビンラディン容疑者を英雄として扱った点を指摘し、「父は他者を救うことが自身の使命だと考えているだけだ。父がテロリストでないことは歴史が証明するだろう」と述べた。

 2001年の9.11米同時多発テロについては、オマル氏は個人的には間違ったことだと思うとしながら、「しかし、悲劇は起こってしまった」と述べ、「ベトナム戦争も正しいとは思わないし、現在、パレスチナで起こっていることも間違った出来事だ」との認識を示した。

 現在のビンラディン容疑者の所在については、オマル氏は「知らない」と述べる一方で、地元民衆の支持を得ている同容疑者が捕えられることはないだろうとの見方を示した。

 同容疑者がアフガニスタンとパキスタンとの国境地帯に潜伏している可能性については、「あるともないとも言えない」と応えた。 

 オマル氏はビンラディン容疑者が1人目の妻との間にもうけた11人の子どものなかで4番目にあたる。同氏は、2007年に英国人女性と結婚している。(c)AFP