【1月22日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では21日、イスラエルによる封鎖が4日目を迎え、住民の生活に深刻な影響が出ている。イスラエル側は封鎖を維持する姿勢を示しているが、国際社会は人道上の観点から懸念を強めている。

 欧州連合(EU)は、イスラエルによる封鎖をガザ地区に居住する150万人に対する「集団虐待」だと非難。また、国連パレスチナ難民救済事業機関(UN Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near EastUNRWA)の報道官も、「この状況が23-24日まで続いた場合、86万人に対して行っている食糧配給は停止せざるをえない」と語った。

 ガザ地区で唯一の発電所も20日、発電用燃料不足のため稼働を停止した。それによりガザ地区全土で停電が発生し、住民たちは発電装置を活用している。だが、封鎖が続くにつれ発電装置用の燃料も不足し始めている。赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)はガザ地区の病院施設には、発電装置用の燃料は数日分しかないことを明らかにしている。

 イスラエル側は、ガザ地区の実権を握っているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が状況を誇張して伝えているとして、人道危機だとする訴えをはねつけている。イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は軍のラジオで行った演説で、「わたしに言わせれば、殺人をもいとわないテロリスト政権がガザ地区を支配しているので、同地区の住民はガソリンが届かず徒歩で移動しなければいけなくなっているのだ」と語った。(c)AFP/Joseph Krauss