【1月18日 AFP】(一部更新、写真追加)ケニアで17日、ムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)大統領の再選に対する全国規模の抗議運動が2日目を迎え、首都ナイロビ(Nairobi)のスラムでは警官隊とデモ隊が激しく衝突して、当局発表によると少なくとも5人のデモ参加者が死亡した。

 3日間の抗議運動を呼びかけた野党・オレンジ民主運動(Orange Democratic MovementODM)のライラ・オディンガ(Raila Odinga)党首は、死者はナイロビだけでも7人に上っていると主張、警察当局の公式発表を否定している。

 オディンガ氏側の主張では、死者の中には野党の国会議員の運転手も含まれ、自宅を出ようとしたところを警察官に射殺された。この運転手の自宅は野党側の拠点の1つであるマザレ(Mathare)スラムを含む地区にあり、ケニア警察当局はマザレスラムで2人が射殺された事実は認めている。

 目撃者の話では、ナイロビ以外にも同国西部の都市キスム(Kisumu)、エルドレット(Eldoret)などで警官隊が催涙弾や上空に向けた実弾発射でデモの解散にあたった。警察当局は先に抗議集会の禁止を通達しており、全国デモの1日目となった16日にも銃や警棒でデモ隊の鎮圧を行い2人が死亡している。

 オレンジ民主運動は、今後もデモを続けていく姿勢を改めて強調した。

 前年12月27日の大統領選挙後にケニア全土で発生した暴動よって700人以上が死亡している事態を受け、英連邦(Commonwealth)はキバキ大統領に対する国際的圧力を強めている。ドナルド・マッキノン(Donald McKinnon)英連邦事務局長は、大統領選の投票終了後の手続きについて「国際基準に満たないものだ」と指摘している。

 18日には、調停仲介役のコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長が入国する予定。同行のタンザニアのベンジャミン・ムカパ(Benjamin Mpaka)前大統領と、南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)前大統領夫人グラサ・マシェル(Graca Machel)氏は17日中に入国している。(c)AFP/Sophie Nicholson