【1月13日 AFP】スリランカへの最大の支援国である日本の政府が平和使節として同国に派遣した元国連事務次長の明石康(Yasushi Akashi)政府代表が13日、3日間の日程でスリランカ入りした。

 明石代表はマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)大統領および閣僚らと、スリランカ政府と武装勢力間の和平プロセスの現状とその将来について協議する。

 スリランカ政府は3日、分離独立を求める反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」が、これまで2002年2月に結んだ停戦を利用して再軍備、戦闘員の補充を行い、政府軍を攻撃してきたとして、停戦を今月16日に破棄すると発表している。

 同国政府のこの発表に、これまで同国を支援してきた日、米、欧州連合(EU)、ノルウェーの4者は、紛争を激化させ、和平実現への努力を行き詰らせるとして強い懸念を表明していた。

 4者はさらに、スリランカ政府と武装勢力側の双方に民間人の保護と、人道支援団体による紛争地域への立ち入り許可を求めるとともに、同国政府に問題の政治的打開を強く促した。

 4者はまた、スリランカ政府に対し、国連(UN)が人権の保護状況を調査するため、北部に展開する武装勢力の勢力圏への立ち入りを求めた。

 スリランカ政府は、国連による同様の求めを度重なり拒絶してきた。今回の求めにも返答はまだ得られていない。

 軍関係者によると11日からの戦闘で武装勢力側74人と政府軍兵士2人が死亡し、今年に入ってからはすでに武装勢力332人と政府軍兵士11人が死亡しているという。(c)AFP