【1月9日 AFP】デービッド・ペトレアス(David Petraeus)駐イラク米軍司令官は今週、掃討作戦が行われたスンニ派のOwesat村を視察し、「ネズミの通り道」を発見・遮断する必要性を説いた。「ネズミの通り道」とは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)が戦闘員、資金、兵器や弾薬を西方からバグダッド(Baghdad)へ運搬する際に使用する抜け道のことだ。

 バグダッドから南西25キロの地点にあるこの村はかつて「ネズミの通り道」におけるユーフラテス川(Euphrates River)の渡渉点にあたっていたが、前年11月の掃討作戦で「ネズミの通り道」はほぼ壊滅された。

 この村には平穏が戻り、現在は反アルカイダの自警団が治安維持にあたっている。だが近隣の街の平定はまだこれからだ。

 ペトレアス司令官は、村人たちが農産物をバグダッドの市場に運べるようになるためにも、「ネズミの通り道」の遮断は必要だと説く。

 だが、視察では、村における長年の部族対立も「市場への運搬」をさまたげているという現実も明らかになり、部族融和の必要性も痛感したようだ。(c)AFP/Bryan Pearson