【1月8日 AFP】(一部更新、写真追加)ペルシャ湾(Persian Gulf)のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)の公海上で5日、イランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)に所属するとみられる5隻の高速艇が、3隻の米軍艦艇に対し攻撃を示唆する威嚇行為を行った。米テレビ局CNNが米軍関係者の話として伝えた。

 米軍関係者によると、イラン側は「われわれは攻撃を行う。あと数分で吹き飛ばす」などと無線を通じて攻撃を示唆。高速艇は米軍艦艇の正面の海中に白い箱状の物体を投下したという。米軍側が攻撃を開始しようとした直前に高速艇は引き返し、交戦には至らなかった。

 ホルムズ海峡はペルシャ湾の出入り口という戦略上重要な海域で、米軍艦艇は同海峡を通過中だった。

 なお、米国防総省も今回の事件を事実として確認しているという。

■イラン側は「通常の出来事」と静観視

 イラン外務省のムハンマド・アリ・ホセイニ(Mohammad Ali Hosseini)報道官は、国営イラン通信(IRNA)に対し、同様の事件はこれまでも発生しており、イラン側高速艇と米軍艦艇が互いを認識した時点ですでに解決していると語った。

 一方、イラン保守系のファルス(Fars)通信が関係者の話として伝えたところによると、巡視活動中のイラン革命防衛隊が米軍艦艇を発見したため、通常通り尋問を行い、米艦艇側が身分や船籍番号などの情報を回答しただけで、衝突などは何もなかったという。

「(イランの高速艇は米艦艇を)包囲し、爆破するなどと脅迫した」と主張する米国務省と、事件を静観視する構えのイラン側とは対照的な姿勢を見せている。(c)AFP