ブット氏最後の言葉は「ブット、万歳」
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【12月30日 AFP】暗殺されたベナジル・ブット(Benazir Bhutto)パキスタン元首相の最後の言葉は「ブット万歳」だったと、英サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)紙が30日、暗殺時近くにいたブット氏の主任政治顧問の話を伝えた。
ブット氏は27日、パキスタン北部の都市ラワルピンディ(Rawalpindi)で選挙集会を終え、車に乗り込むところで殺害される直前、この言葉を叫んだという。ブット氏の政治顧問Safdar Abbassi氏は、車の後部座席に乗っていた。
ブット氏の死を車の中にいた人物が語ったのは事件後初めて。「彼女はそれ以上、何も言わなかった」と同氏は述べた。
■「身を伏せただけだと思った」と側近
Abbassi氏は事件を振り返り「突然、発砲音がした。私は銃声だと思った。彼女のほうを見ると、発砲音を聞いて身を伏せたように見えた。撃たれたのだとは私たちの誰も思わなかった」と述べた。
その後、車のサンルーフ越しに後ろに下がるブット氏を見上げたが、その直後に大爆発が起こったという。ブット氏は一言も発せず、左首に負った深い傷から血が滴っていることにAbbassi氏気づいたという。Abbassi氏の妻Naheep Khanさんがブット氏の頭部を膝に乗せ、自分のヘッドスカーフで傷口を押さえ噴き出る血を止めようとしたが、血は首の下方からブット氏が着ていた青色のチュニックにまで広がったという。
■1台目に乗ることは、ブット氏が選択
車列の車の2台のうち、ブット氏は1台目で移動することを選んだという。「彼女は笑顔で非常に幸せそうだった。先に私を車内に入れ、私の前に座った。周りは群衆でいっぱいだったので、私もスローガンを叫び始めた」
ブット氏は支持者たちに手を振ろうとサンルーフから身を乗り出したという。「私が『ブット氏に声援を』と叫ぶと、彼女は『ブット、万歳』と応じた」
その直後、銃声が響いたという。「われわれは、彼女は身を伏せたと思ったが、実際には倒れたのだった。一言も発しなかった。一瞬、彼女は発砲で混乱して何も言わないのかと思った。われわれは分かっていなかった。すると大爆発が起こった。爆弾の破片が車体に当たり、運転手が急いで車を発進させた。あたり一面、血だらけだった。ブット氏の首も服も。やっと彼女は撃たれたのだと悟った。彼女は何も言えなかったのだ」
■搬送段階で生存の見込みなし
Abbassi氏によると、ブット氏は集中治療室に運び込まれた時点では生きていたという。しかし、負傷の状態は非常に深刻で、生存の見込みはまったくなかったという。「医師たちは最善を尽くしたが間に合わなかった。私はまったく楽観的過ぎた。彼女には何も起こらないと思っていた。まだブット氏が生きているように感じる。もはや、私たちとともに彼女がいないとは信じられない」
サンデー・テレグラフ紙の報道では、涙ながらに会見に応じたAbbassi氏は、まだブット氏の血がついたシャツを着ていた。(c)AFP
ブット氏は27日、パキスタン北部の都市ラワルピンディ(Rawalpindi)で選挙集会を終え、車に乗り込むところで殺害される直前、この言葉を叫んだという。ブット氏の政治顧問Safdar Abbassi氏は、車の後部座席に乗っていた。
ブット氏の死を車の中にいた人物が語ったのは事件後初めて。「彼女はそれ以上、何も言わなかった」と同氏は述べた。
■「身を伏せただけだと思った」と側近
Abbassi氏は事件を振り返り「突然、発砲音がした。私は銃声だと思った。彼女のほうを見ると、発砲音を聞いて身を伏せたように見えた。撃たれたのだとは私たちの誰も思わなかった」と述べた。
その後、車のサンルーフ越しに後ろに下がるブット氏を見上げたが、その直後に大爆発が起こったという。ブット氏は一言も発せず、左首に負った深い傷から血が滴っていることにAbbassi氏気づいたという。Abbassi氏の妻Naheep Khanさんがブット氏の頭部を膝に乗せ、自分のヘッドスカーフで傷口を押さえ噴き出る血を止めようとしたが、血は首の下方からブット氏が着ていた青色のチュニックにまで広がったという。
■1台目に乗ることは、ブット氏が選択
車列の車の2台のうち、ブット氏は1台目で移動することを選んだという。「彼女は笑顔で非常に幸せそうだった。先に私を車内に入れ、私の前に座った。周りは群衆でいっぱいだったので、私もスローガンを叫び始めた」
ブット氏は支持者たちに手を振ろうとサンルーフから身を乗り出したという。「私が『ブット氏に声援を』と叫ぶと、彼女は『ブット、万歳』と応じた」
その直後、銃声が響いたという。「われわれは、彼女は身を伏せたと思ったが、実際には倒れたのだった。一言も発しなかった。一瞬、彼女は発砲で混乱して何も言わないのかと思った。われわれは分かっていなかった。すると大爆発が起こった。爆弾の破片が車体に当たり、運転手が急いで車を発進させた。あたり一面、血だらけだった。ブット氏の首も服も。やっと彼女は撃たれたのだと悟った。彼女は何も言えなかったのだ」
■搬送段階で生存の見込みなし
Abbassi氏によると、ブット氏は集中治療室に運び込まれた時点では生きていたという。しかし、負傷の状態は非常に深刻で、生存の見込みはまったくなかったという。「医師たちは最善を尽くしたが間に合わなかった。私はまったく楽観的過ぎた。彼女には何も起こらないと思っていた。まだブット氏が生きているように感じる。もはや、私たちとともに彼女がいないとは信じられない」
サンデー・テレグラフ紙の報道では、涙ながらに会見に応じたAbbassi氏は、まだブット氏の血がついたシャツを着ていた。(c)AFP