英国、タリバンと直接交渉との報道に賛否両論
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【12月28日 AFP】アフガニスタンで国連(UN)の英国人高官や英情報機関員がアフガニスタンの旧支配勢力のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)と接触していたとする報道などが相次ぎ、タリバンとの交渉には応じない姿勢を示していたゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は難しい立場に立たされている。
25日、国連と欧州連合(EU)の職員2人がタリバンと接触したとしてアフガニスタン政府から国外退去処分を受けた。また、26日の英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は、今年に入って通称MI6として知られる英秘密情報部(Secret Intelligence Service、SIS)がアフガニスタンで、タリバンの指導者らと、極秘会談を数回行ったと報じた。
英国は国連治安支援部隊(International Security Assistance Force、ISAF)に約8000人の部隊を参加させタリバンとの戦闘を続けている。専門家はタリバンとの交渉はブラウン首相の政策と矛盾するものだと指摘する。 ブラウン首相は今月初めにも、議会でタリバンとは「いかなる交渉を行うつもりはない」と言明している。しかし一方で、タリバンが武装解除に応じれば社会復帰も可能だと述べ、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領を支持することを明らかにしている。
最大野党保守党のデービッド・キャメロン(David Cameron)党首は一連の報道を受け、政府は立場を明確にするよう望むと述べるとともに、政府はアフガニスタンでは明確で、首尾一貫した戦略をとる必要があることを指摘し、その内容について「援助に集中し、外交活動を強化し、アフガニスタンの政治システム全体を英国が確実に強化していくことだ」と語った。
保守党で国防を担当するリアム・フォックス(Liam Fox)報道官は、「我が国の兵士を殺すような人々と交渉することはできない」とさらに踏み込んだ発言をした。
一方、報道の論調は、タリバンの内部には強硬派と中道派があり、後者は調停に応じる可能性があるとして、タリバンとの交渉には好意的な見方をしている。英国とタリバンとの交渉を、英国が過激派との交渉に取り組むことで紛争を終結に導いた北アイルランドとの関係になぞらえる見方もある。(c)AFP/Katherine Haddon
25日、国連と欧州連合(EU)の職員2人がタリバンと接触したとしてアフガニスタン政府から国外退去処分を受けた。また、26日の英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は、今年に入って通称MI6として知られる英秘密情報部(Secret Intelligence Service、SIS)がアフガニスタンで、タリバンの指導者らと、極秘会談を数回行ったと報じた。
英国は国連治安支援部隊(International Security Assistance Force、ISAF)に約8000人の部隊を参加させタリバンとの戦闘を続けている。専門家はタリバンとの交渉はブラウン首相の政策と矛盾するものだと指摘する。 ブラウン首相は今月初めにも、議会でタリバンとは「いかなる交渉を行うつもりはない」と言明している。しかし一方で、タリバンが武装解除に応じれば社会復帰も可能だと述べ、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領を支持することを明らかにしている。
最大野党保守党のデービッド・キャメロン(David Cameron)党首は一連の報道を受け、政府は立場を明確にするよう望むと述べるとともに、政府はアフガニスタンでは明確で、首尾一貫した戦略をとる必要があることを指摘し、その内容について「援助に集中し、外交活動を強化し、アフガニスタンの政治システム全体を英国が確実に強化していくことだ」と語った。
保守党で国防を担当するリアム・フォックス(Liam Fox)報道官は、「我が国の兵士を殺すような人々と交渉することはできない」とさらに踏み込んだ発言をした。
一方、報道の論調は、タリバンの内部には強硬派と中道派があり、後者は調停に応じる可能性があるとして、タリバンとの交渉には好意的な見方をしている。英国とタリバンとの交渉を、英国が過激派との交渉に取り組むことで紛争を終結に導いた北アイルランドとの関係になぞらえる見方もある。(c)AFP/Katherine Haddon