【12月26日 AFP】トルコ軍は26日、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(PKK)」に対する軍事行動を強化し、同勢力が拠点とするイラク北部を空爆した。米政府の承認を背景に、イラク政府による抗議にもかかわらず攻撃した形だ。

 イラク北部クルド人自治区で活動するPKKに対するトルコ軍の空爆は、確認されている限り12月16日以降、3度目。空爆に加え陸上越境作戦も行われている。 
 
 トルコ軍参謀本部では、長期間にわたり監視してきた大規模なテロリスト集団が、同自治区ザップ(Zap)地区の8か所の洞くつおよび潜伏場所で越冬準備をしているとの情報が得られたため、今回の攻撃を行ったと発表した。声明では「わが軍の戦闘機は標的を効果的に攻撃した。攻撃は26日朝に開始した」としている。負傷者の数は発表されていない。

 しかし、イラクのクルド人民兵組織ペシュメルガ(Peshmerga)のJabbar Yawar報道官は、攻撃されたのは国境沿いの人けのない村だったと述べた。被害規模は確認していないという。

 別の治安関係者の情報によると、トルコ軍は現地時間午前8時30分(日本時間午後2時30分)ごろ、ドホーク(Dohuk)州Nirvorokanと呼ばれる地域を攻撃した。PKK筋の通信社による報道では、約10機の編隊による空爆だったとしている。

 クルド人自治区関係者は、そのほか前日25日の短時間の空爆など2回の空爆があったが、トルコ軍は公表していないと報告している。(c)AFP/Sibel Utku Bila