【12月20日 AFP】イラク政府は19日、トルコ軍がイラク北部に進攻し、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers’PartyPKK)」の掃討作戦を行ったことについて、「イラクの主権に対する攻撃」としてトルコ政府を非難した。

 イラク政府はトルコ側に対し、軍事行動を中止し問題解決に向けPKKと対話するよう要請。同政府のAli al-Dabbagh報道官は「われわれは軍事行動では問題を解決できないと見ている。トルコ側のこのような措置はイラクの主権に対する攻撃だ」と非難した。

 500人規模のトルコ軍部隊が18日、国境を越えイラク北部に進攻し、国境沿いの山間部を拠点とするPKKの掃討作戦を行った。PKKが10月21日に巡回中のトルコ軍部隊を襲撃し兵士12人が死亡した事件で、トルコ・イラク国境付近の緊張が高まって以来、トルコ軍の地上部隊がイラク北部に進攻したのは今回が初めて。

 イラク政府は一方で、トルコによる軍事作戦の拡大について可能性は低いと見ている。

 クルド人自治政府当局は18日夕刻、トルコ軍が撤退を開始したと発表したが、イラク政府の同報道官によると撤退が完了したかどうかは不明とした。一方、クルド人議員のMahmud Othman氏は19日、トルコ軍はすでに全面撤退したと語っている。(c)AFP/Jay Deshmukh