【12月18日 AFP】トルコ軍が16日、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(PKK)」の拠点とみられるイラク北部の地域を空爆したことに対し、イラク政府と被害を受けた地元住民は17日、激しい怒りを表明した。

 PKKの拠点のみを標的にしたとするトルコ側の主張に対し、イラクのホシヤル・ジバリ(Hoshiyar al-Zibari)外相は、爆撃により一般市民が被害を受けたと述べた。

 同外相は「PKKの存在に対するトルコ側の懸念は理解できるが、今回の爆撃では一般市民が巻き添えになった。イラク政府と調整した上で行動を起こすべきだ」と述べたが、具体的な犠牲者数は明らかにしていない。

 一方、英国放送協会(BBC)のニュースサイトは、今回のトルコ軍によるPKKの拠点への空爆を米国政府が承認したとする報道を米国側は否認していると伝えた。

 トルコ陸軍のヤシャル・ビュユクアヌト(Yasar Buyukanit)参謀総長は16日、地元メディアに対し、米国は「情報」を提供し、イラク北部の領空を開放することで空爆作戦を暗黙に承認したことになると語った。

 BBCはさらに、駐トルコ米大使館員の話として、米軍司令官らは攻撃を承認してはいないものの、実施されることは事前に知らされていたと報じている。(c)AFP/Shwan Mohammed