【12月15日 AFP】パレスチナ自治政府のサラム・ファイヤド(Salam Fayyad)首相の側近Omar al-Ghul氏(56)が14日、ガザ地区(Gaza Strip)ガザ市でイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)に身柄を拘束された。穏健派のファイヤド内閣は、今年6月のハマスのガザ地区制圧後に誕生した。

 ハマス報道官のIhab al-Ghssein氏は、「治安部隊がOmar al-Ghul氏の身柄を拘束した。同氏の違法行為についての捜査がすでに始められている」と述べた。

 Ghul氏は、義母の葬儀に出席するためヨルダン川西岸(West Bank)ラマラ(Ramallah)からガザ市内の自宅に戻っていたところを拘束された。Ghul氏の家族は、深夜突然、覆面で顔を隠し銃で武装した一団が同氏の自宅に侵入し、同氏を連行していったと話している。

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は、訪問中のヨルダンで、ハマスによるGhul氏拘束を非難した。

 アッバス議長は側近ヤセル・アベド・ラボ(Yasser Abed Rabbo)氏を通じて、今回の「拉致」は「違法で危険な行為」だと断じ、「ガザ地区でハマスが日常的に行っている犯罪行為の数々に連なるものだ」と述べた。

 アッバス議長はヨルダンからフランス・パリ(Paris)に向かい、17日に行われるパレスチナ支援国会合に出席する。(c)AFP