元CIA工作員、アルカイダの容疑者に「水責め」
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【12月11日 AFP】米中央情報局(CIA)の元工作員が10日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の容疑者を尋問する際に「水責め」の拷問を行っていたことを明らかにした。
ABCで同日放送されたインタビューで、元CIA工作員のJohn Kiriakou氏はアルカイダの容疑者に「水責め」の拷問を用い重要な情報を引き出していたことを認めた。Kiriakou氏は現役のCIA工作員時代、アルカイダ幹部のアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者を拘束、尋問したチームを率いていたという。
同氏によると、ズベイダ容疑者に対する水責めは35秒ほど行われたとし、「翌日、彼(ズベイダ容疑者)は、夜中に自分の監房へアッラーがやってきて協力するよう告げられたと語り、その日から協力的になった」という。また、ズベイダ容疑者が提供した情報によって、テロ攻撃を数十件阻止することができたとしている。
水責めには、拘束した容疑者の顔にマスクをかぶせ、その上から水をかけるという手法も使われたという。
Kiriakou氏は「われわれ米国人は、こんなことに頼る必要はないし、すべきでない」と語り、水責めを行った事実は認めたものの、迷いもあったと話した。その一方で、2001年9月11日の米同時テロ以後は、テロ情報の収集が何よりも優先される緊急事態だったと指摘した。
同氏は「水責めを行わず、貴重な情報を得ることができなかったら、テロは阻止できなかった」としながらも、「自分自身が行ったことを悔やみ続けるだろう」と語った。
現在、ズベイダ容疑者とAbd al-Rahim al-Nashiri容疑者が、厳しく尋問されている様子を2002年に録画したCIAの尋問ビデオが05年に破棄されたとして大きな問題になっている。(c)AFP