【12月3日 AFP】イスラエルによる経済制裁の影響で、パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)では2日、燃料不足が深刻化し全土でガソリンスタンドが閉鎖に追い込まれた。

 各店舗には「燃料、ベンジン、ガソリンすべて在庫切れ」との張り紙がされ、業界関係者も「あらゆる種類の燃料がなくなったため、ガザ地区の全スタンドが閉鎖した」と話した。

 同地区の救急サービスの責任者は、この状態が続くと「病院の発電機や救急車にも深刻な影響が出る」と懸念を口にした。

 ガザ地区で消費される燃料はすべてイスラエルが供給しているが、イスラエルはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実権を握る同地区について9月に「敵地」と宣言、10月28日から燃料の供給制限を始めた。

 同地区では1日あたり35万リットルのディーゼル油が必要とされるが、制限後の供給量は19万リットルと大幅に削減された。さらにイスラエル政府は前週、制限量の拡大を発表し、11月29日の供給量は6万リットル、12月2日は9万リットルとなった。

 イスラエル軍のガザ連絡事務所は、大幅な供給削減は、パレスチナ自治政府のイスラエルの燃料販売会社に対する債務不履行が原因だと指摘する。

 一方のパレスチナ自治政府側は、債務は返済したと主張。燃料不足は金銭問題に絡むものではなく、ガザ市近くでパイプラインが破損したことが原因で、現在修理中だとしている。(c)AFP/Sakher Abu El Oun