【11月27日 AFP】パキスタンの北西辺境州(North West Frontier Province)スワト(Swat)渓谷で、同国の治安部隊がイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)の武装勢力を砲撃と武装ヘリコプターで攻撃し、武装勢力側に指揮官2人を含む多数の死傷者が発生した。当局者が26日、明らかにした。

 同州政府のAmjad Iqbal報道官はメディアに対し、過激派のMaulana Fazlullah師を支持する武装勢力の拠点となっている山頂部に治安部隊が夜間攻撃を行ったと述べた。また同報道官は、治安部隊がKabal地区と周辺のシャングラ峠(Shangla hills)にある武装勢力の拠点を一掃する目的で攻撃を加え、「武装勢力側に多数の死傷者が出た」とし、Fazlullah師の側近である指揮官2人が死亡したと述べた。

 スワト渓谷での情勢不安は7月、同地域へのイスラム法の導入と、政府に対する聖戦を唱える強硬派のFazlullah師を支持する武装勢力が同地域で複数の村を占拠して以来続いている。

 同国のペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は、この数か月間で政府軍がこの地域で圧倒的に優位に立ったことを受け、武装勢力の掃討作戦を軍に命じた。パキスタン軍によると、前週からの戦闘で武装勢力側の戦闘員250人以上が死亡した一方、政府側の犠牲者は6人にとどまっている。

 地元住民は避難を続けており、同地域の中心都市ミンゴラ(Mingola)の学校に少なくとも1000人が身を寄せているという。州政府はこのほかにも4か所の避難所を設けている。市場や学校、銀行などは前週から閉鎖されており、地元住民の一部は食料不足を訴えている。(c)AFP