【11月23日 AFP】インド北部の3都市の裁判所近くで23日、ほぼ同時に複数の爆発があり、合計で少なくとも13人が死亡、40人以上が負傷した。警察は弁護士を狙ったテロ攻撃だとし、警戒を強めている。

 ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州内相によると、ヒンズー教の聖地バラナシ(Varanasi)では3件の爆発があり、弁護士3人を含む9人が死亡、ファイザバード(Faizabad)では2件の爆発があり、4人が死亡。また州都ラクノー(Lucknow)でも2件の爆発があった。

 バラナシでは22人が負傷、ファイザバードの裁判所では弁護士によると14人以上が「出血」し、ラクノーでは5人が負傷した。

 同州警察長官は市民の反発を警戒して警官隊を増援したといった。

 爆発事件の1週間前、同州の弁護士評議会で、州内で起訴されたイスラム過激派戦闘員の弁護を拒否することが満場一致で決定されていた。

 ファイザバードはヒンズー教徒とイスラム教徒の対立の激しいアヨディヤ(Ayodhya)から7キロの位置にある。1992年にはアヨディヤでヒンズー教徒が16世紀のモスク(イスラム教礼拝所)を破壊、これが国内規模の暴動に発展し約2000人が死亡した。

 アヨディヤの警察署長は記者団に対し、同地のヒンズー教司祭が22日に「イスラム教に改宗しないならば死ね」と書かれた国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)からとされる手紙を受け取ったことを明らかにした。

 近年インド各地で爆発が相次いでいるがいずれも、ヒマラヤ山脈のジャム・カシミール(Kashmir)州で自治権を求める外国勢力のイスラム過激派の関与が指摘されている。

 イスラム過激派の目的は、宗派間対立をあおりインドとパキスタンの和平交渉や経済成長を妨害することだとみられている。(c)AFP/Pratap Chakravarty