【11月16日 AFP】下院で起きた議員を狙った爆破事件でフィリピン警察当局は15日、下院付近のイスラム過激派の潜伏場所を強制捜査し、容疑者3人を殺害、ほか3人を逮捕した。

 フィリピン軍の報道官は容疑者について、詳細は述べなかったものの「爆破事件に関与していたことを示す手がかりがあった」と説明した。この報道官によると軍および警察当局は、誘拐の容疑者を逮捕するため、マニラ(Manila)北部にある下院付近のスラム街Payatasを強制捜査した際に、銃撃に遭ったという。この捜査でイスラム原理主義組織アブサヤフ(Abu Sayyaf)のメンバー3人を殺害、ほか3人を逮捕した。また警察官1人が負傷した。

 2日前には下院で爆破事件が発生し、アブサヤフの捜査に協力していたワハブ・アクバル(Wahab Akbar)議員ほか3人が死亡した。

 ただし国家警察のAvelino Razon長官は、逮捕令状は爆破事件とは別の誘拐事件に対するものだったと説明してる。

 強制捜査に先立ち同長官は、下院での爆破事件で使用された爆弾は「精巧」に作られており、特定のターゲットを狙って使用されたと述べていた。遺留品を調べた結果、容疑者が爆弾の作成に熟練しており、明らかにアクバル議員を狙った犯行であることが裏付けられたという。爆弾は前方180度を爆破するように作られ、アクバル議員が下院から出てきた際に使用された。

 マニラ警察のGeary Barias署長によると、専門家による分析の結果、爆弾にはトリニトロトルエン(TNT)が使用されていたことが判明し、ダイナマイトが用いられた可能性もあるという。さらに導火線のようなものも現場から発見されており、警察はTNT火薬や導火線販売の監視体制見直しを命じたという。(c)AFP