【11月2日 AFP】1日に発表された、イラク内務省、国防省および保健省が共同編さんした統計によると、10月に、宗派間抗争や武装勢力による攻撃で死亡したイラク人は少なくとも887人となり、前月の840人を上回った。

 8月の1770人から、9月は半分以下の840人まで減少したが、10月に入って増加に転じる結果となった。10月の死亡者の内訳は民間人758人、警察官116人、兵士13人。このほか民間人144人、警察官180人、兵士39人が負傷した。

 2006年2月に中部サマラ(Samarra)で発生したシーア(Shiite)派聖地アスカリ(al-Askari)聖廟(びょう)爆破事件以降、イラクでは宗派の対立が激化し、これまでに数万人の命が奪われている。2006年2月の犠牲者数は637人に達し、2007年1月には最多の1992人が殺害された。

 米・イラク両政府は、2月からバグダッド治安計画「Operation Fardh al-Qanoon(法の執行作戦)」を開始。同作戦にはジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領のイラク新政策の一環として、米兵2万8500人が増派された。

 一方、シェルワン・ワイリ(Shirwan al-Waili)国務相(国家治安担当)は同日、治安計画の導入で武力衝突が減少し、バグダッド(Baghdad)周辺地域の治安は著しく改善していると改めて主張した。(c)AFP/Salam Faraj