【11月1日 AFP】トルコ軍は10月31日、同国政府がイラクのクルド人自治区に対する経済制裁について検討する中、イラクとの国境付近でクルド人武装組織クルド労働者党(Kurdistan Workers’ PartyPKK)の戦闘員15人を殺害したと発表した。

 トルコ軍の声明によると、同軍は10月29日から武装ヘリコプターおよび迫撃砲でPKK戦闘員に対し攻撃を行っており、最新の戦闘ではイラク国境付近のトルコ南東部シルナク(Sirnak)県のジュディ(Cudi)山で行われたという。また同軍は、この戦闘で兵士3人が死亡したとも発表した。

 トルコ政府は現在、数千人規模の兵士をイラクとの国境付近に配備し、PKKが拠点としているイラク北部のクルド人自治区に対する越境攻撃の実施も示唆している。

 同政府はまた、クルド人自治区のマスード・バルザニ(Massud Barzani)議長についても、PKKの武装闘争を支援しているとして批判している。

 PKKは1984年から、トルコ南東部でクルド人独立国家の建設を目指して武装闘争を展開しているが、トルコ政府は、PKK戦闘員がイラクのクルド人自治区で武器を入手し、トルコ国内で攻撃を行っていると主張している。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)トルコ首相は、10月30日午後に行われた同国の独立記念の式典で、「かれら(バルザニ議長とその支持者ら)がクルド人自治区で行っていることは、まさにテロ組織をかくまっていることだ」と主張した。

 同首相は、トルコ政府はイラク政府とのみ対話を行い、クルド人自治政府とは対話しないとも再度強調し、PKK掃討に向けてあらゆる措置を講じる構えを示した。(c)AFP