【10月30日 AFP】トルコは建国84周年を迎えた29日も、イラク北部に拠点を置くクルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)の掃討作戦の準備を着々と進めた。一方イラク政府は、大規模な軍事行動は「破滅的な結果」をもたらすと警告している。

 首都アンカラ(Ankara)で建国記念日の軍事パレードが行われ、国中が祝祭ムードに沸いたこの日、同国南東部のIkiyaka山脈では緊張が続いていた。アナトリア(Anatolia)通信によると、トルコ軍が国境付近のPKK戦闘員約100人と対峙(たいじ)。目撃者の話では、トルコ軍の武装ヘリコプターがPKKの拠点とみられる同山脈の複数箇所を攻撃した。

 越境攻撃の構えを崩さないトルコについて、イラクのホシヤル・ジバリ(Hoshiyar al-Zibari)外相は29日、英BBCのインタビューに対し「大規模な軍事行動は破滅的な結果と、人々に極度の不安をもたらすだけだ」と語った。

 また、前週イラク高官がトルコを訪問して自制を促したにもかかわらず「(トルコ側は)聞く耳を持たなかった」と不満をもらした。PKK幹部を一斉摘発して身柄を引き渡すよう求めたトルコ側の要求も「非現実的」とはねつけた。

「PKKは武装して山中におり手に余る」(ジバリ外相)

 トルコの報道各社によると前週、10万人規模のトルコ軍がイラクとの国境地帯に配備されたという。(c)AFP