【10月22日 AFP】(一部更新)イラク駐留米軍は21日、バグダッド(Baghdad)のイスラム教シーア(Shiite)派居住地区サドルシティー(Sadr City)で掃討作戦を実施し、地上と空からの攻撃で「犯罪者」49人を殺害したと発表した。

 一方、地元の4つの病院関係者は、少年少女各1人を含む一般市民17人の死亡を確認したと述べており、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相が事件の調査を命じた。米軍側は市民の被害はなかったとしている。

 AFPのカメラマンが撮影した写真には、救急病院で手当てを受ける多数の負傷者の姿や、泣きながら家族を埋葬する人々、死亡した少年のひつぎのそばで泣き崩れる家族、血だらけのマットレスを見せながら米軍の空爆の様子を語る住民などが写っている。

 マリキ首相が主宰するイラク国家安全保障委員会は、声明で「首相は容疑者の追跡に過剰な武力を用い、無実の市民の命や財産を損なうやり方を非難するとともに、事件の調査を命じると述べた」と発表した。

 米軍側は、イランの支援を受けた武装誘拐グループのリーダーの身柄拘束を目的とした強襲作戦の最中、銃撃とロケット弾による抵抗を受けたことから、「自衛のため」に多国籍軍が応援として空からの攻撃を行ったと説明。「市民や子どもが犠牲になったとの情報はない。米軍は市民を守る目的で敵の脅威を撃退しただけだ」と述べた。武装誘拐グループのリーダーの身柄拘束および殺害には失敗したとしている。

 サドルシティーはシーア派住民が大多数を占める貧困地区で、反米指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師が率いるマハディ軍の拠点とされる。(c)AFP/Jay Deshmukh