【10月19日 AFP】(一部更新)19日にパキスタンのカラチ(Karachi)で起きた爆発は、少なくとも133人が死亡、約400人が負傷するなど、パキスタン史上最悪の自爆攻撃になった。爆発現場では車両が炎上し、血の海の中に犠牲者の遺体の一部が路上に散らばる惨状となった。同国内務省によると、ブット元首相は無事だった。

 事件を目撃したAFPのカメラマンは「路上に血と肉が散乱していて、まるで食肉処理場を歩いているようだった」と証言し、「無傷のように見える人もいれば、体の一部がなくなっている人もいた。現場は何かが焼けるにおいで焦げくさかった」と語った。

 爆発に巻き込まれたベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の支持者たちは、よろめきながら親族を探し回り、血まみれの生存者を病院へ向かうバンに乗り込ませていた。病院は担ぎ込まれる負傷者の対応で大混乱になっている。

■爆発当時の状況

 事件発生当時、カラチ市内東部の繁華街にあるKarsaz通りには、ブット元首相の車列を一目見ようと数千人が詰め掛けていた。午前0時を過ぎた直後、小規模の爆発があった後に2回目の大きな爆発が起こり、同元首相の乗った車両のそばで火柱があがった。

 目撃者は「爆発が起こると皆が逃げ出したが、わたしは何が起きたのか理解できなかった。兄弟や親族も負傷し、数人の負傷者を救急車に運んだ」と語った。

 別の目撃者は「ブット元首相はパキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)議会派関係者に支えられて別の車に運ばれたが、非常に衝撃を受けている様子だった」と語った。また、AFPのカメラマンによれば、ブット元首相の無事を確認した人々は同元首相の名前を繰り返し叫んだという。

 ブット元首相を乗せた特製の改造トラックの前では警察車両が炎上するなど、警察関係者も爆発に巻き込まれた。警察当局の発表では、当初20人とみられていた警察官の死者数は、現時点では3人に訂正されている。(c)AFP/Mohammed Husain