【10月18日 AFP】イラクのクルド自治政府は18日、トルコ国会が前日、イラク北部のクルド人武装勢力に対する越境攻撃を承認したことを受け、トルコ政府に直接対話を呼びかけた。

 イラク北部アルビル(Arbil)州のクルド自治政府は、ウェブサイト上に掲載した幹部筋の話として「越境攻撃はイラクやトルコばかりでなく中東地域全体にとって有害だ」と述べ、「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)の問題を含むトルコとの共通利害について、トルコ政府との直接対話を歓迎する」と呼びかけた。PKKによる「罪のないトルコ国民の殺害」も非難し「暴力による問題解決はありえない」と述べ、イラク北部に拠点を持つPKKの行動を間接的に批判した。

 このほか、トルコ政府がイラク北部でのPKKの活動を容認しているとして自治政府を批判していることについては、自治政府高官の1人は「クルド人自治区内に潜伏するPKK戦闘員らがトルコへの越境攻撃を行わないよう自治政府は努力している」と述べ、批判を強く否定した。

 一方、イラク政府は前日、イラク北部のPKK問題は同国内の治安問題であり、これに関する声明はすべてイラク政府の承認を必要とすると表明している。

  独立国家設立を目指すPKKは、1984年以来、トルコ南東部を拠点に武装闘争を展開。これまでに、3万7000人の命を奪ったとされ、欧州連合(European Union)と米国からテロリストに指定されている。(c)AFP