【10月12日 AFP】米海兵隊がイラクに展開する全部隊をアフガニスタンに移動する計画があることをニューヨーク・タイムズ(New York Times)が11日、軍および国防総省高官の話として報じた。

 現在イラクに展開する16万の駐留部隊のうち、2万5000人の海兵隊全てをアフガニスタンに移動し、イラクでの治安維持活動は全て陸軍が担うとした同計画は、前週、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官に提出されたもので、アフガニスタンおよびイラクに展開する駐留米軍の体制を大きく転換させるものとなる。

 現在、アフガニスタンには約2万6000人の駐留米軍が展開しているが、海兵隊は配置されていない。同情報筋によれば、同計画の目的は、陸軍機能を置き換えるものではなく、海兵隊機能をアフガニスタンに集中させ、アフガニスタンにおける対テロ戦略のより有効なあり方を探るものだという。また、陸軍だけをイラクに展開することで、兵員交代計画を柔軟に作成できるとしている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、同計画が実現すれば、アフガニスタンにおける米軍の活動は海兵隊が中心となるだろうと指摘する。

 一方、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の身柄確保など、アフガニスタンにおける最重要対テロ活動については、統合特殊作戦部隊が引き続き担うという。

 一方、海兵隊は独自の空軍装備を備えているが、陸軍はイラク・アフガニスタン両国において空軍の支援を多く受けていることから、陸軍と海兵隊の移動は空軍にも影響を与える可能性がある。

 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、同計画はまだ確定したものではないとも報じている。(c)AFP