【10月9日 AFP】米民間情報機関サイト・インテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)がひそかに入手した国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のビデオを、米ブッシュ政権がマスコミに漏らしたことが原因で、SITEがアルカイダの通信を傍受できなくなったことがわかった。米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙が9日、報じた。

 SITEはイスラム過激派および米国がテロ組織に指定した組織の関連サイトと通信を監視し、ニュースメディアなどの顧客向けに提供している。数年前からひそかにアルカイダ通信網への接続を確立し、9月に指導者のウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者が登場するビデオ映像を、正式公開される前に入手した。

 SITEによると9月7日朝、ホワイトハウス(White House)にこの映像を無料で提供したが、引き続き秘密裏に活動するために、映像の存在は伏せておくよう要請していたという。

 ところが同日午後までに、ブッシュ政権内部関係者がCATVニュースにこの映像と内容をリークし、映像は全世界に放映された。SITEの創設者によれば、そのために、SITEが通信を傍受していることをアルカイダに気づかれ、以降アルカイダ通信網に接続できなくなったという。

 SITE創設者は「何年もかかって開発した技術が使い物にならなくなった」と嘆く。ワシントン・ポスト紙は米政府関係者もSITEの主張に反論しなかったと伝えている。(c)AFP