【10月1日 AFP】パキスタン北西部バンヌ(Bannu)郊外で1日、イスラムの伝統的衣装で女性を装った男が警察の検問所で自爆し、警官4人を含む少なくとも16人が死亡した。

 取材に応じた警官によると「検査のために警察が検問所へ車両を止めたところで、軽三輪車からブルカを着て女性に扮した男が降り、自爆した」という。

 これまでに地元の病院には女性4人を含む15遺体が運び込まれている。治療を受けたのは31人に達しており、数人は重傷だという。医師のMohammad Usman氏は「四肢の一部も持ち込まれ、自爆犯のものかどうか確認している」と話した。また警官4人も死亡した。

 警察筋によると、事前に情報当局から「イスラム女性の伝統的衣装であるブルカをかぶった男性の自爆犯による攻撃が予測される」と警告を受けていた。このためすべての検問地点が警備を強化した結果、犯人の運転していた車両も検問にかかった。しかし実際に検査される前に自爆に至ったとみられる。

 現場に近い都市バンヌは、アフガニスタン国境の部族地域に近いパキスタン軍の駐屯地。パキスタンのアフガニスタン国境一帯では、政府軍が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)の掃討作戦を行っている。

 7月に首都イスラマバード(Islamabad)で、アルカイダと関連するとみられる急進派勢力が「赤いモスク」と呼ばれる寺院を1週間以上にわたって占拠し、政府軍が強行突入、武力鎮圧した事件以降、パキスタンでは襲撃事件が相次いでいる。また、再選を狙うペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領の立候補をめぐり野党が反対を続ける大統領選挙は、数日後に迫っている。(c)AFP/Saad Khan