【10月2日 AFP】米議会調査局(Congressional Research Service)が1日に発表した2006年の世界の武器取引についての年次報告書によると、イラクおよびアフガニスタンにおける戦争で中東諸国に対する輸出が増加した米国が、市場全体の約42%を占めることが明らかになった。

 取引額全体は2005年の463億ドル(約5兆4000億円)から約13%減の403億ドル(約4兆7億円)となり、米国との厳しい競争を強いられているフランスなど西欧諸国が打撃を受けたもよう。主要輸入国がこれまでの在庫消化のため武器購入を抑制したため、規模が縮小したとみられる。

 米国の輸出額は前年比34億ドル(3930億円)増の169億ドル(1兆9536億円)と世界全体の41.9%を占め1位となった。

 2位はロシアで、前年比12億ドル(約1400億円)増の87億ドル(約1兆円)で21.6%を占める。英国は前年比2億ドル(約231億円)増で31億ドル(約3600億円)で3位となったが、米国の5分の1にも満たない。

 上位3か国で全体の71%超を占める。

 このあおりを受けたのが西欧諸国で、市場シェアが34.4%から19.1%に下落。フランスと英国、ドイツ、イタリアの主要4か国は発展途上国に対する輸出が半減、2005年の109億ドル(約1兆3000億円)から55億ドル(約6400億円)となった。


■輸入国は

 発展途上国の武器購入額はパキスタンが51億ドル(約6000億円)で1位。

 続いてインドが35億ドル(約4100億円)で2位、イラン、イラクと国境を接するサウジアラビアが32億ドル(3700億円)で3位に入った。

 パキスタンは米国から、14億ドル(約1600億円)で最新型のF-16戦闘機36機、6億4000万ドル(約740億円)超相当のミサイル弾および爆弾、りゅう弾砲5200万ドル(約60億円)分などを購入する。

 サウジアラビアは3億4000万ドル(約393億円)でAH-64Aアパッチヘリコプターを近代化、さらには軍事用通信機器の購入も計画中だという。

 アラブ首長国連邦は米国から1億600万ドル(約123億円)の艦対空誘導弾を購入する。(c)AFP